急速なグローバル化により、人類は、一国・一地域で解決することができない「地球規模課題」を抱えるようになりました。その解決には、様々な分野の専門家の協力が必要とされています。筑波大学では、多岐にわたる学術分野の最先端の研究成果を共有し、より良い未来を実現するための方策を議論する場として、9月30日から10月4日にかけて、筑波研究学園都市においてTsukuba Global Science Week (TGSW)を開催しました。
その中、人文社会系の周筱助教が「〈生ける法〉に対する国際的・学際的な研究アプローチの実現」というセッションをオーガナズしました。本セッションでは、「生ける法」を主な研究対象とする法人類学者との対話を通じ、従来の法律学が取り扱う狭義の法学(教義法学や解釈法学)とは異なる、より広義の学際的な法学(創成法学)の可能性を探求することを目的としています。
日本、中国およびインドネシアからの学者がそれぞれ関連テーマの発表を行い、法学研究の未来に焦点を当て、法人類学の可能性を探るとともに、「生ける法」という中心概念について深く掘り下げました。また、「法」という現象を研究するために人類学的手法を用いる利点と課題についても活発に議論しました。さらに、法的権威から疎外されているグループに対する人類学的研究の実現可能性についても検討しました。