人文社会系の藤澤奈都穂助教が主催者の一人となり、「アグロフォレストリー研究の射程」をテーマとするシンポジウムが開催されます。
昨今、アグロフォレストリーは世界各地で環境保全型農業として注目されています。「農地に木を組み込む」という意味では世界各地の在来農業において広くみられる慣行であり、多種多様な実践と歴史がありますが、日本国内では基礎的な情報や研究成果がまとまった出版物などはまだそれほどない状況です。
本シンポジウムでは、国や地域、研究分野・手法によらず、アグロフォレストリー(もしくはそれに類する実践)を対象とした研究・活動の成果を共有し、アグロフォレストリーとはなにか、研究・実践においてどのような視座が求められるのかを議論するとともに、日本におけるアグロフォレストリーに関する教育を展望する機会になればと考えております。
多くの方々にご参加いただければ幸いです。
シンポジウム「アグロフォレストリー研究の射程」
日時: 2025年1月24日(金) 10:00-17:00・25日(土) 9:30-13:00
場所: 筑波大学1C棟210 号室 (対面開催)
(茨城県つくば市天王台1−1−1)
申込: 不要
参加費:無料
【プログラム】
2025年1月24日(金)
10:00 オープニング・趣旨説明(藤澤奈都穂・筑波大)
10:10-12:00 セッション1:アグロフォレストリーを捉える
四方篝(京都大)「アグロフォレストリー研究への誘い」
藤澤奈都穂(筑波大)「ラテンアメリカにおける在来農業と政策におけるアグロフォレストリー」
加反真帆(九州大)「インドネシアにおける熱帯林保全の課題:アブラヤシと樹木のアグロフォレストリーに着眼して」
コメンテーター:寺内大左(筑波大)
12:50-14:40 セッション2:アグロフォレストリーと暮らす
佐々木綾子(日本大)「『山で生きる』―タイ北部山地におけるアグロフォレストリーの変遷と社会的背景」
田中求(高知大)「山を活かす生業としての和紙原料の生産」
斎藤博嗣(一反百姓「じねん道」斎藤ファミリー農園、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン)「小さなアグロフォレストリーによる緑の生命連鎖を接点とした農耕の根源的移行:「医・食・住」の根拠地としての、居久根・屋敷林・一反百姓農園」
コメンテーター:吉野馨子(東京農業大)
15:00-16:20 セッション3:アグロフォレストリーを活かす
小林淳平(京都大)「アグロフォレストリーにおいて木材生産が果たす役割-タンザニアの農村経済と都市需要に着目して-」
藤岡悠一郎(九州大)「アグロフォレストとしてのトチノキ巨木林:採集林の視点から捉える農と林の補完関係」
コメンテーター:竹田晋也(京都大)
16:30-17:00 1日目総合討論
2025年1月25日(土)
09:30-09:40 オープニング(藤澤奈都穂・筑波大)
09:40-11:30 セッション4:アグロフォレストリーを創る
四方篝(京都大)「カメルーン東南部におけるカカオ・アグロフォレストリーのつくられかた」
山本宗立(鹿児島大)「インドネシア・アンボン島の『アグロフォレストリー』の概要」
近藤友大(京都大)「インドネシア・アンボン島の『アグロフォレストリー』から熱帯果樹の栽培化を考える」
佐藤靖明(長崎大)「ウガンダにおけるバナナ栽培を基幹としたアグロフォレストリー―庭畑の樹種と住民の認識」
コメンテーター:大久保悟(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)
11:40-12:30 総合討論
12:30-12:40 クロージング(藤澤奈都穂・筑波大)
主催: 木かげ研究会
科研費特別研究員奨励費(22KJ1637・代表:藤澤奈都穂)
共催: 科研費基盤研究C(21K12404・代表:四方篝・21K12441・代表:佐々木綾子)
連絡先:藤澤奈都穂(筑波大学)(fujisawa.natsuho.gn@u.tsukuba.ac.jp)
四方篝(京都大学)(kagaris@gmail.com)
佐々木綾子(日本大学)(sasaki.ayako@nihon-u.ac.jp)