急速なグローバル化により、人類は、一国・一地域で解決することができない「地球規模課題」を抱えるようになりました。その解決には、様々な分野の専門家の協力が必要とされています。筑波大学では、多岐にわたる学術分野の最先端の研究成果を共有し、より良い未来を実現するための方策を議論する場として、9月30日から10月4日にかけて、筑波研究学園都市においてTsukuba Global Science Week (TGSW)を開催しました。
2024年10月3日に、TGSWセッション2-2「法をめぐるヨーロッパとの学際的対話:創成法学セッション 」(セッションオーガナイザー:秋山肇人文社会系助教)が開催されました。
グローバルに社会課題が複雑化する今日において、学際的、国際的、社会との連携を基盤とした、新たな法学すなわち創成法学の構想が求められています。本セッションでは、異なる背景を持つ多様な分野の専門家が、異なる視点から法的課題について議論しました。
池田潤副学長(国際担当)の挨拶に続き、秋山助教より、現状の日本における法学の展開が紹介され、学際的、国際的、社会とのつながりを踏まえた法学が今後必要になるとの指摘がなされました。Peter Windel教授(ボーフム大学)より、日本法を検討する際に規範性の基盤となる倫理や文化、歴史の視点を踏まえて研究を実施する必要性の指摘がなされました。Zia Madani助教(人文社会系)より、南極や北極に関する国際法の規定を例に挙げ、国際法を先住民や個人の視点から捉え直す必要性を指摘されました。パネルディスカッションや質疑応答を通して、狭義の法学よりも広い視野で法を研究する必要性について議論しました。
このセッションでは、学際的、国際的、社会とのつながりを踏まえた法学の構築する必要性について合意しました。